30余年前、23歳のときにトラック一台で運送業の世界に飛び込みました。当初は個人営業、いわゆる”ひとり親方”として主に宅配便配送の下請けをやっていました。最初の転機はその数年後昭和の終わり頃に訪れます。当時ここ三重県南部は家庭用ゲームソフト（ＲＯＭカートリッジ）の組み立て工場が集積しており、地場産業のような活況を見せていました。その荷扱いの一部を一括して請け負わせて頂くことになったのです。個人営業の身にはとんでもなく大きな仕事でした。現在地の事務所と車両基地を構え、トラックとドライバー、両方の態勢を整えて業務にあたりました。忙しさに追われるなか、平成元年には法人組織、熊本商会有限会社へと衣替えも果たしました。ところが実質３〜4年程でその仕事とも決別せざるを得なくなります。カートリッジ組立作業そのものの中国シフトが急速に進み採算に合うだけの受注量確保が難しくなってしまったのです。今後、安定受注が期待できる荷はなんだろう。そこで開拓したのが製材所と肥料会社２つのチャンネルでした。特に製材の荷受はバブル経済期の建築ブームに伴う需要増もあり、当社実績の安定化に大きく寄与してくれました。その後、地元製紙会社との間に新しく取引チャンネルを開設することも出来ました。関東・関西・四国方面への紙製品の荷を運び、帰りの便には廃棄プラスティックを積んでチップ燃料工場へ届ける・・・また、地元水製品の運搬を全国に運びこれが現在のルーティーン業務ともなっています。結果論かも知れませんが業績が極端に落ち込む前にタイミングよく取り扱う荷を切り替えてこられた、いわば”転機をうまく捉えた”事が運送業としての安定経営にもつながったのです。今ＡＩの時代がやってきており常に情報の収集と活用、発信を心がけ世の中のグローバル化の流れに乗り遅れないよう、また荷主様のご期待に沿うべく迅速かつ安全な輸送営業に邁進して行く所存です。
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